Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"ファルコン&ウィンター・ソルジャー(The Falcon and the Winter Soldier)"(2021) 完走(感想)。

男(キャプテン・アメリカ)はつらいよ。

(※"ブラック・ウィドウ"の微かな微かなネタバレをしています)

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公式トレイラー

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"ワンダヴィジョン"に引き続き、こっちも完走しました。やっぱドラマだからと言って侮れないね、ほとんど映画と変わらないクオリティなんだもん。最近、特に恋愛漫画は好みじゃないんですが"プロミス・シンデレラ"を読み始め、結構面白かったので、ちょうど今やってるドラマ版を観てみたらムムムだったんですよ。まず、この点については完全に好みの話かもだし、日本のドラマ全般に言えることだけど、映像の質感がどうも安っぽく見えちゃう。そりゃ映画並みの予算とカメラとその他諸々の条件をクリアして撮影するってのはムリなんでしょうけどねー。映画のフレームレートである24fps(毎秒24フレーム)ってのは偉大ですな。あの微かにカクカクした映像が異常に気持ち良いんですよね。それだけでも威厳が出るし。アン・リーが120fpsものハイフレームレートで"ジェミニマン"撮りましたけど、あれがスタンダードになることは決してないだろうなと。まあ、ヌルヌルすぎて逆に不自然な映像に見えたのは興味深い現象でした。人が直接見ている映像よりもフレームレートは低いだろうと思えるのにね。
 
さて。ファルコンとウィンター・ソルジャーもワンダと同じく、MCUの中でお気に入りキャラというわけじゃありません。ファルコンって、これまでそんなに出演時間ありましたっけ? 忘れちゃった(笑)。実際にはもう何作も出てますが、個人的に印象的なエピソードがなかったんだよなー。でもこのドラマで好きになってきましたよ。好青年だねえ!
ウィンター・ソルジャーは、フィーチャーされた"キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー"もありましたんで出演時間は問題ないんですが、まーシリアスすぎる。デッドプールがいたら「DCユニバース出身かよ」と言われそうなほど。とっつきにくくてねぇ。だからこそキャプテン・アメリカくらいしか友だちがいないんでしょうが。セバスチャン・スタンはこれと"アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル"のDV夫役の印象が強いので、たまには超優しい役も見てみたい。でもバッキーはこれで過去の償いも済ませたみたいだし、これからはもうちょいコミカルなシーンに絡んでくるかな。
 
アクションシーンは映画と見紛うほど見事なもので、特に格闘が良い。やっぱキャップが剣じゃなくて盾を持ってたのは、映画化する上でビジュアル面で多大な貢献をしてますね。単純に美しいし、投げられるし。完全に重力無視してますけど(笑)、跳ね返りを利用した予測不能な動きで観客の目線を引きつけます(ワンダ聞いてるか(笑)!)。
そして盾は使い方によっちゃ、ギロチンにもなることが本作で判明。まあこれまでキャップの力であんなにブンブン投げまくって、相手の手足の1本や2本が吹っ飛んでないことの方が不思議でしたが。今回、カート・ラッセルの息子ワイアット・ラッセルが演じた(暫定)2代目キャップことジョン・ウォーカーがギロチン攻撃やらかします。"デッドプール"みたいなR指定路線じゃないのでさすがに首チョンパはしないですが、胸の辺りをザックリやられます。ギャース。ワイアット・ラッセルって特にこれまでの映画で印象に残ってるシーンがないですが、"肉""コールド・バレット 凍てついた七月""イングリッド -ネットストーカーの女-""オーヴァーロード"と、意外に結構出演作観てました。最近Netflixで配信が始まったエイミー・アダムス主演の"ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ"に出てるみたい。配信前は期待してたけど、いざ配信されたら酷評されてるので(笑)、今ちょっと寝かせてます。美味しくなるかもしれないし……。
このジョン・ウォーカー、何かずっとヘイデン・クリステンセンアナキン・スカイウォーカーみたいな目をしてるもんで、「あー闇堕ちするな」と思ってたら、ちゃんとしました。超人血清も迷わず打ってたし(これは元からの性格か。元アメフト選手よ、ドーピングだぞ!)。やっぱキャップの後釜は大変だよねー。トニー・スタークの跡を継がなきゃいけないのかと苦悩していたピーター・パーカーにはハッピー・ホーガンがいましたが、ウォーカーにはそういう人がいな……くもなかったか。でもそのちょいハッピー的な相棒のバトルスターが敵ボスのカーリに殺されたので、闇堕ちします。最終的に、ヴァルという謎の女キャラにスカウトされ、「USエージェント」という新たな名をもらってましたね。ヴァルは"ブラック・ウィドウ"のポストクレジットシーンにも出てきて、ある人をスカウトしてました。今後の展開に嫌な予感ビンビン。
 
カーリ役の人どっかで見たなと思ったら、"ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー"に出てきたエンフィス・ネストでした。何となくカーリと同じような役のような気もしますが……エリン・ケリーマン(ケリー・エリンマンではない)という女優なんですね。ちょうど最近公開されて高評価のA24作品、デヴィッド・ロウリーの"The Green Knight"にもでてるようです。なるほどなるほど。今後はどんどん出演作が増えていくかもね。
 
本作は黒人がアメリカを背負えるのかというテーマを掲げつつ、メタ的には、クリス・エヴァンスを失った我々に対する、「今後のキャップはアンソニー・マッキーで行きますんでよろ」というマーベルからのメッセージでもあります。知名度という点ではまだクリス・エヴァンスには敵わない感じがするので、今後もアンソニー・マッキーには頑張ってもらいたいところです。まだ観てないですが、奇天烈B級SFやファンタジーを撮ってきたアーロン・ムーアヘッド&ジャスティス・ベンソンの最新作"シンクロニック"にも出てましたから、個人的には今後の活躍に期待しています。
 
最後に。
おい! シャロンも闇堕ちしてんじゃねーか!!