Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"The Power"(2021)

闇の中でこそ見えるものもある。

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公式トレイラー


www.youtube.com

 

ホラー映画中心のアメリカの動画配信サービス、Shudder(シャダー)で観られるらしい本作。日本じゃShudderは利用できませんが、"ズーム/見えない参加者"みたいに公開される可能性もあるのかな? DVDか配信スルーでも良いから観させてくれよ!

heiro-chloe.hatenablog.com

 

 

 

あらすじのようなもの

1974年、ロンドン。新人看護師のヴァルは、炭鉱ストライキのため停電になった病院で夜勤をさせられることになる。真っ暗闇の中で、ヴァルは過去のトラウマと超自然的な存在に対峙する……。

 

スタッフ・キャスト

監督はこれが2作目のCorinna Faith(コリーナ・フェイス?)。

主演は"静かなる情熱 エミリ・ディキンスン"のローズ・ウィリアムズ。他。

 

 

トレイラーを観ると、非常に暗闇が効果的に使われています。撮影が美しいですね。

ヴァルは先輩看護師から、「Stick to your rank, never question an order(立場をわきまえて、命令には疑問を持たぬように)」と言われています。病院には医者を頂点としたヒエラルキーがありますからね。しかし夜勤を命じられたヴァルは不安そう。過去何かあったんでしょうか。「A nurse must give of herself entirely...sacrifice. How much are you willing to give?(看護師はその身を完全に献身的に捧げなければならない……あなたはどの程度それができる?)」というセリフもあり、白衣の天使と言えば聞こえは良いものの、病院という場所における看護師の立場の低さも意識させられます。演じているローズ・ウィリアムズはまさに白衣の天使といった感じですが。

 

体を痙攣させ苦しんでいたヴァルが一瞬にして真顔になるシーンもありますが、ここ"ヘレディタリー/継承"トニ・コレットみたいですね。どうやら何者かに憑依されたよう。サイコホラーというよりスーパーナチュラルなホラーの色合いが強そうです。この病院では過去何かがあったのかもしれませんね。病院なんて怨念の溜まり場のような気もしますが。

 

暗闇の中、看護師に手を出そうとしている男も映っています。この2人の関係が健全なものかどうか分かりませんが、不穏な空気が漂っています。タイトルの「The Power」は表面的には電力のことでしょうが、powerには権力の意味も含まれます。先日紹介した"ガール・オン・ザ・サード・フロア"には、「男が本当に愛しているのは権力」というセリフが出てきました。そういう意味も込められたタイトルならば、本作もフェミニズム的なテーマが含まれた映画かもしれませんね。Corinna Faithが闇を用いて何を浮かび上がらせようとしてるのか、非常に気になります。heiro-chloe.hatenablog.com

 

 

Rotten Tomatoes  82%,42%

IMDb  5.6

案外ゲオ先行レンタルとかで来るかも。"ガール・オン・ザ・サード・フロア"もそうだったし。