Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

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"サイコ・ゴアマン(Psycho Goreman)"(2020) Review!

結局女は男より強し。

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公式トレイラー


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サイコ・ゴアマン。こんな凶悪な名前のキャラクターがかつていただろうか。非常に頭の悪いネーミングですが、そんなに悪いヤツじゃなかったですよ。

 

 

あらすじ

幼いルークとミミの兄妹は、オリジナルの遊び「クレイジーボール」に興じていた。負けたルークが罰ゲームとして庭を掘らされ、地中に謎の棺桶のようなものがあるのを発見、ミミはそれについていた宝石を懐にしまう。次の日、棺桶から何者かが這い出た形跡を目にした2人がそれを辿ると、異形のモノに出くわしてしまう。何と、ヤツは惑星ガイガックス出身で躊躇なく人間を殺す悪の化身とも言うべき存在だったのだ。だがヤツはミミが持つ宝石を見て態度が一変。宝石には強大な力があり、所有者には誰も逆らうことができない。極悪な彼でさえも……。かくして、子どもたちと、ミミに「サイコ・ゴアマン」と名付けられた魔人の奇妙な日々が始まった。

 

スタッフ・キャスト

監督は"ザ・ヴォイド 変異世界"のスティーヴン・コスタンスキ。

ミミを演じたのはこれが映画デビューとなるニタ=ジョゼ・ハンナ、ルークを演じたのは"テリファー"(観てない)の続編にも出演しているオーウェン・マイヤー。他。

 

 

また変な映画がこの世に生まれ落ちてしまいました。スティーヴン・コスタンスキが以前に撮ったコズミック・ホラーの"ザ・ヴォイド"のトレイラーは、個人的に2016年ベストトレイラー賞あげたいくらいセンスが良かったんですよ。本編よりトレイラーの方が好きだったくらい(笑)。ああ……どれも超カッコ良い。

 

"ザ・ヴォイド"公式ティーザー

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"ザ・ヴォイド"公式ティーザーその2

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"ザ・ヴォイド"公式トレイラー

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"ザ・ヴォイド"はコズミック・ホラーなだけあって、ラヴクラフト的な雰囲気がありますが、"サイコ・ゴアマン"は日本の特撮へのラブレターだそうです。Heiroはほとんど戦隊もの"仮面ライダー"を観てきてないんですが、着ぐるみ丸出しのキャラたちが戦ったり、体を切られたら火花が出るところとか、非常に懐かしい映像が拝めました。やっぱ男子だと特撮は普通通る道なんですかね。"ウルトラマン"戦隊ものは少し観たことありますけど、"仮面ライダー"はほぼ0かな。子どもの頃は何故か"仮面ライダー"は大人が観るものだと思ってましたから(笑)。だって何か会話パートが小難しそうだったんだもん。本作観て、遅まきながらその魅力がいくらか理解できましたよ。

 

本作はPsycho Goremanの名にあやかってレーティングはPG12になっております。観る前は、「ゴアマン言ってるのにPGかい」と肩透かしの予感もありましたが、実際観てみるとこれが割とグロい。サイコ・ゴアマンはエビの背ワタを抜くがごとくチンピラの首引っこ抜きとか普通にしますしね。チープな作り物感が前面に出てるからなのか、もっと見た目をリアルにすればえげつない描写になるはずが幾分マイルドになり、その結果R15+を免れたのかもしれません。R15+でも良い気もしましたが(笑)。PG12だからと言って親子連れや13,14歳の子が観に行く映画とは思えませんが、そういう観客はちょっとショックを受けるかも。何の罪もない人もかなりひどい目に遭うし、トレイラーの時点でキモかわいいマスコットと思われていた脳みそくんはミミたちの友だちの成れの果てですからね。ちょっとブラックすぎるね。

"ヴェノム"があれだけ期待を煽っておきながらPG12だった時はムムムでしたが、今回はその方面で特に不満はないです。ちなみに、"ヴェノム: レット・ゼア・ビー・カーネイジ"アメリカではPG-13ですけど、その限界を攻めたと監督のアンディ・サーキスが言ってたようです。次こそそっちも期待ですな。

 

サイコ・ゴアマンはグロ担当ですけども、雑誌に載ってる上半身ムキムキむき出しの男性モデルにも興味津々だし、宝石を盗られたからとは言え生意気な子どもの相手をしてあげてる時点で、そんなに悪いヤツじゃないと思っちゃいます。あらすじの時点で分かると思いますが、劇中で一番サイコなのはミミですね(笑)。ミミは8歳にして自分が宇宙で一番と信じてるような呆れたビリーヴァー(BUMP OF CHICKEN"sailing day"より)であり、ルークに穴を掘らせたのは生き埋めにするためです(笑)。ひどい。サイコ・ゴアマンを亡き者にしようと企む宇宙人の集い"テンプル騎士団"(ネーミング(笑))の一人、パンドラもサイコ・ゴアマンより悪人感出てましたね。見た目や話し方は女天使って感じなんですが(エンジェウーモン感ある)……実際は死の天使でしたね。良いキャラでした。

 

ミミの父親は働かないくせに妻には高圧的になったりするハッキリ言うとクズなんですが、演じてる人はアダム・ブルックスという映画監督で、スティーヴン・コスタンスキも所属している映像制作集団アストロン6のメンバーなんですよ。"ディック・ロングはなぜ死んだのか?"でも印象的な死体をダニエル・シャイナート監督自身が演じてましたね。キャスティングというかカメオ出演というか、それが良い味出してるので面白いですね。

 

最終的にサイコ・ゴアマンチームとパンドラチームはクレイジーボールで勝負することになるんですが、良いのかそれで(笑)。だって67点が最高点のゲームですよ。でもこういうイミフで複雑なゲーム、確かに子どもの頃やってたような気もしますね。詳しく覚えてないけど、でも独自のルールをいくつも発展させ、お互いに共有したりするの子どもは上手ですよね。ちなみにクレイジーボールのルールはこんな感じです。

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見事勝利したサイコ・ゴアマンはミミたちを殺さないことに決めますが、普通にどこかの町を壊しに行きます(笑)。ハッピーエンドみたいになってるけど、良いのかそれで。地球を救うエンドじゃなくて、サイコ・ゴアマンと友だちになっただけのような……(笑)。まあ、細かいことは良いんだよ!

 

 

★★★★★★★  7/10

Rotten Tomatoes  92%,62%

IMDb  6.3

結局サイコ・ゴアウーマンが最強なのよ。