Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"ドローン(The Drone)"(2019) Review!

ドローンは魂というものの最も現代的な解釈の形……とでも言うのだろうか

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公式トレイラー


映画 『ドローン』 公式予告

 

うん……今回もショートレビューで。(笑)

主演女優のみが目当てで見ましたが、これは人によって極端に評価が分かれそうな作品だなあ。B級ホラーコメディなんで、そんなもんか。

 

あらすじ

赤毛の女性ばかりを狙う、ドローンが相棒の変態殺人鬼が警察に捕まる直前、雷に打たれて死んでしまう。しかし実は、彼の魂は死んだ時に手に持っていたドローンに乗り移っていた。新たに目を付けられた新婚ホヤホヤのレイチェルはヤツから逃れられるのか?

 

キャスト・スタッフ

監督は"ゾンビーバー"のジョーダン・ルービン。

レイチェル役には"セーラ 少女覚醒"のアレックス・エソー。他。

 

 

あらすじを読むと分かるように、"チャイルド・プレイ"の現代版です。監督が当時のホラーがどれだけ好きなのか、とても現代の映画とは思えない演出や音楽が目立ちます。後半"シャイニング"オマージュもありますけど。

主人公たちは至極マジメな顔してますが、観客がマジメな顔して観ることはありません。非常にバカバカしくて、それを楽しめるかどうかで82分の体感時間が変わります。Heiroはあまりノれませんでした。(笑) B級ホラーコメディは別に嫌いじゃないんですが……安っぽすぎるからかなあ。鑑賞するとどんどん知能が低下していくような錯覚を覚えます。注意。

 

キャラクターの造形も頭悪くてステレオタイプ的。特にお色気担当の隣人女性。レイチェルの夫は顔は良いけどおバカ。ゴミ捨て場に落ちてたドローンを勝手に持ってきて、喜んで自分の物にしちゃうことから全てが始まります。レイチェルは勝手に動くドローンを気味悪がりますが、夫は意に介さず。ここが、POVホラーによくある「撮らないで」と言われているのに撮り続けるくだりみたいで、Heiroみたいに映画にノれない人をイラつかせます。中盤、レイチェルはドローンに変態の魂が乗り移ってることに気付きますが、おバカな夫はリモコンの誤作動だろうと勘違い。いや、夫の方が現実的なこと言ってるな。

 

ドローンに魂が乗り移るのは良いとしても、どう考えてもドローンには不可能そうなハッキングとかやりまくります。レイチェルの家は全てがコンピューターによって管理されており、ドアをアンロックしたりPCを操作することなんて簡単。まあこの変態は生前からハッカーっぽかったんで、良しとしよう。ただ終盤になると、どう考えても手がないとできないだろってこともしでかします。(笑)

一番どうかしてると思ったのは、この変態がレイチェルの元カレだったこと。当時はまだ殺人犯じゃなかったとは言え、なんでコイツと付き合おうと思った? 変態はドローンになってもレイチェルを愛し続けていたんですねえ。キム・ギドクの"うつせみ"はとても美しい映画でしたが、あんな感じなんですかねえ。

ラスト、首チョンパなんて造作もないプロペラを有したドローンとのバトルに辛くも勝利するレイチェル。ここで終わると思いきや、ドローンはお得意のハッキング技術でレイチェルの夫をハッキングし、魂を上書き。それを見抜いたレイチェルは夫を2階から突き落とし、ポールに串刺しにして殺す。死ぬその瞬間、夫の意識が戻り、レイチェルは泣き崩れて終幕……。ってこれドラッグムービーか?

 

主演のアレックス・エソーはB級ホラーによく出ていますが、最近は有名な映画にも出演するようになりました。"ドクター・スリープ"(傑作!!)でダニーの母親ウェンディを演じていたのが彼女。確かに"シャイニング"のシェリー・デュヴァルにちょっと似ています。他にも、映画じゃないですがNETFLIXドラマの"ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー"(傑作!!)に出演。どちらも監督がマイク・フラナガンなんで、今後も彼の監督作で彼女の姿が見られるかも。いやどうかな、またこんなしょうもない映画に出ちゃうかも。(笑)

 

 

★★★★  4/10点

 

Rotten Tomatoes  80%,26%

IMDb  5.7

ナゾに評論家に人気(と言ってもレビュアーは5人)。心の広いそこのアナタにオススメします。