Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

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"ガンズ・アキンボ(Guns Akimbo)"(2019)

俺をハリーと呼ぶヤツらを片っ端から撃ってやる

 

公式トレイラー


映画『ガンズ・アキンボ』予告編

 

今年イチのバカ映画が爆誕ダニエル・ラドクリフサマラ・ウィーヴィングの未来は明るいぜ。ということが分かりました。

 

 

あらすじ

プログラマーのマイルズは、日常的に他人にクソリプをすることでストレスを解消していた。ある日、巷を賑わせている「スキズム」というデスゲーム配信サイトでクソリプを送り付けていると、アウトローな運営に目を付けられ自宅を襲撃される。気絶から目覚めると、両手に銃がボルト付けされていた! 生きるためには、24時間以内にスキズム最強の殺し屋ニックスに勝たなければならない。さらに忘れられない元カノのノヴァも人質に取られてしまう。頑張れマイルズ! 行け行けマイルズ!!

 

スタッフ・キャスト

監督は"デビルズ・メタル"のジェイソン・レイ・ハウデン。

マイルズ役にはご存じ"ハリー・ポッター"シリーズのダニエル・ラドクリフ。ニックス役には"レディ・オア・ノット"サマラ・ウィーヴィング。他。

 

 

あまりにハマりすぎている役を演じてしまうと、役者の将来に悪い影響が出るなんてよく言いますわね。主演のダニエル・ラドクリフも、演じているのは幼い頃からほぼハリー・ポッター役のみでしたから、そのジンクスから逃れられないのかと思ったら、そこはさすが魔法使いなだけある! "ハリポタ"が終わってからは、ハリー役のイメージを自分から積極的に払拭しようとするような、印象的な作品選びをしています。"キル・ユア・ダーリン"(観てないけど)ではまだ見た目がハリーのまんまでしたけど、"ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館"(観てないけど)でホラーに挑み、"ホーンズ 容疑者と告白の角"(観てないけど)では役作りで角を生やし、"アンダーカバー"ではイモ―タン・ジョー様に憧れてウォーボーイズ(もといネオナチ)になり、挙句の果てには"スイス・アーミー・マン"(最高)で役者魂を発揮しすぎて十徳ナイフならぬ十徳死体になってしまいました。合掌。そして今回の"ガンズ・アキンボ"。自業自得とはいえ実に不憫な見た目の二丁拳銃(=ガンズ・アキンボ)にされてしまいますが、ダニエル本人は楽しんでやってそうなのが実に良い。

あんまり関係ないけど、ダニエルと"ハリー・ポッターと炎のゴブレット"で共演したロバート・パティンソンも長らく"トワイライト"シリーズで有名でしたけど、その後は見事にそのイメージを払拭しましたね。デヴィッド・クローネンバーグ"コズモポリス"のような小難しい作品や、クレール・ドゥニ"ハイ・ライフ"のようなアート作品にも出てますし。それこそ、7月の日本公開が決まったばかりの、ロバート・エガース監督作"ライトハウス"とかね。っていうかクローネンバーグはマジでもう新作撮らないのかね! 息子のブランドン・クローネンバーグに期待するしかないのか!?

 

"トワイライト"シリーズで共演したクリステン・スチュワートもかなり色んな作品に出るようになってますよね。ジュリエット・ビノシュと共演した"アクトレス ~女たちの舞台~"がかなり好きでした。っていうか、ロバート・パティンソン"ハイ・ライフ"ジュリエット・ビノシュと共演してるやん! 最近は"Seberg"で曰く付きの往年の女優ジーン・セバーグを演じ、最新作の"Spencer"ではあのダイアナ元妃を演じており、まさに第一線で活躍してるイメージです。素晴らしい躍進。

サマラ・ウィーヴィングはいつも通りというか、"Z Inc. ゼット・インク"とか、"レディ・オア・ノット"とかの感じで(観てないけど"ザ・ベビーシッター"シリーズもおそらくそういう感じだろう)演じてます。こういう役はもうサマラの独壇場ですね。しかしそれと同時に、"スリー・ビルボード"ではチョイ役ではありましたがちょっと抜けてる良い娘を演じてましたし、ホラークイーンというだけでなく演技派としてさらに有名になることを期待しています。

 

映画としては本当に頭悪くて(誉め)、勢いさえあれば何でも良い人にはまず刺さります。両手を銃に改造され、トイレも食事も満足にできないマイルズ。トイレのシーンでマイルズのゾウさん(隠語)がモザイクなしで映ってギョッとしたんですが、やはり偽物だと見せちゃって良いんですね! 感心しました。そして賞味期限を何か月も過ぎた上、地面に落ちたホットドッグにもむしゃぶりつくマイルズ。本当にダニエルは仕事を選びませんね(誉め)。しかし外国にも3秒ルールがあるんだなぁ……、劇中では10秒ルールと言ってましたが。勉強にもなる映画だね! 基本ノーコンのマイルズでも、ここぞという時にはちゃんと相手に銃弾を当ててましたし、ただの一般人であるマイルズに凄腕のハズのニックスの銃弾が当たらないのはまあご愛敬って感じでしたが、そこらへんは気にしちゃダメよ。

ちょっと苦手なシーンもありました。終盤、マイルズとニックスは共闘することになり、これ自体はベタながらアツい展開でよろしいんですが、敵にニックスの指が切り落とされるんですよね。Heiroもそれなりにグロ描写のある映画は観てきましたが、身体欠損描写は未だに苦手です。二度と元に戻らない感じが切なすぎちゃって……。漫画の"BLEACH"で砕蜂の腕が骨にされた時は辛すぎました。バラガンてめえ! 砕蜂は皆のアイドルだぞ!! 後、ニックス結局死んじゃうんですよね……。敵のほとんどを巻き込んだ、自分の意志での自爆ではありましたが、ニックスを殺したこの世界の神が憎い。うう。

マイルズは元カノのノヴァとの仲は取り戻せなかったものの、アーティストであるノヴァはマイルズをモデルにしたヒーローの漫画を描き上げます。そしてマイルズはスキズムの残党を殲滅させるため、戦い続ける道を選ぶのでした。おしまい。ノーコンマイルズがニックスなしでどれだけ戦えるのかはよく分かりませんが、そんなことはどうでも良いんだ! 気持ちだから! そんな危ないコンテンツであるスキズムを、世界中の一般人が面白がって見てるという風刺なのかギャグなのか判断しかねる設定ですが、ネットの怖さについて真面目に考えてる映画が観たいなら"カムガール"を観ましょう。

 

 

★★★★★★★  7/10点

Rotten Tomatoes  52%,40%

IMDb  6.3

マイルズの主人公補正はやはり魔法で、ハリー・ポッター役の呪縛のメタファーなんでしょうか(あるか)。まだ足りないようだから、ダニエルくん。もっとやりなさい。さらにおかしな役を!!