Thank You Scientist/"Maps of Non-Existent Places"(2012)
訳すと、ありがと科学者/"存在しない場所の地図"
↑何でしょうかこのフレーズは。
Thank You Scientist(サンキュー・サイエンティスト)はアメリカはニュージャージーで2009年に結成されたプログレッシヴ・ロックバンドなのです。
7人組の大所帯バンドなんですが、なんと普通のギターやベースに加えサックス、ヴァイオリン、トランペットが入っているのですよ。
プログレッシヴと名の付くジャンルではどうしても曲は複雑に、聴きづらくなりがちですが、
とびきりオシャレでキャッチー!!!
「プログレ」と言えば大抵の場合、曲が長尺だったり変拍子・転調だらけだったりするもんで、プログレファンはそんな音楽を聴いてる自分趣味よい~と少なからず思っているものです。(Heiroはそうです)
しかし、聴きづらそうな音楽は聴きやすくしてこそ。難しい話を分かりやすく説明してくれる人っていますね。みんな好きでしょ? このバンドもそんな感じです。
これが1stアルバムですが、すでにスタイルが確立されてます。独創的なのにメロディアスでエモい! 中高音域のヴォーカルがとても爽やか。
"存在しない場所の地図"という素敵なタイトルに違わず、あなたの音楽マップに存在しなかった場所を教えてくれる一枚。
スウェーデンのA.C.TやMoon Safariなどキャッチーなプログレが好きな人は気に入るのでは。
2ndアルバムで日本デビューなので、このアルバムの国内盤はなし。
#1."Prelude"
読んで字の如く、序曲。
1分弱と短いが、美麗なコーラスで確かなメロディセンスを感じさせる。
#2."A Salesman's Guide to Non-Existence"
アップテンポなナンバー。テクニカルなのにキャッチーでリスナーの心を掴む。この曲で少しでも「おっ」と思った人はステイチューンで。
#3."Feed Your Horses" ♥
いきなりプログレらしい複雑なイントロで始まるが、ヴォーカルが入ると途端にキャッチーに。サビ直前のデデッデッデ/デデッデッデ/デデデデ/デデッデッデ/デデッデッデ/デンのリズムが超フック。
#4."Blood on the Radio"
9分を超える大曲。エキゾチックなイントロからノリ良くコロコロと展開するプログレらしい曲。キャッチーさはそんなになく、ここまでのデレからのツン曲。逆にホの字の人もいるかも。
#5."Absentee" ♥
このアルバムいちの神曲はこれだ!! 前半は穏やかなバラード然としているが徐々に後半に向けて盛り上がるのがアツい。3分過ぎのトランペットソロでSpyro Gyraがやってそうなフレーズが聴ける。
#6."Suspicious Waveform"
唯一のインスト。曲名の「疑惑の波形」って嘘発見器で出てくるアレですかね。そんなタイトルに反してとても爽やかなでジャジーなプログレ。
#7."Carnival"
穏やかながらテクニカルな曲。ハーモニクスの音が気持ち良い。中盤からはヴァイオリンソロもあり、ハードさも出てくる。
#8."Concrete Swan Dive"
一番緊張感のある曲かも。聴きづらい曲のように思われるかもしれないが、トランペットの音色がキャッチーさを担保している。ラッパは強い。
#9."In the Campany of Worms"
三味線?による怪しげで和風なイントロで始まるが、後からいつもの感じになる。これまでもヘンな曲ばかりなんでちゃんと溶け込んでる。
#10."My Famed Disappearing Act"
ピロピロしたイントロから始まる疾走系ナンバー。ユニゾンがテクニカルできちんと最終曲っぽい感じもあり。
☆☆☆☆☆☆☆☆★ 8.5/10点
何回キャッチーって言ったかな。ボキャブラリーが貧弱。だってキャッチーなんだもん。
Thank you!! Thank You Scientist!!!!!