Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"ラストナイト・イン・ソーホー(Last Night in Soho)"(2021)

エドガー・ライトなのに「笑えない」映画、爆誕

 

公式トレイラー


www.youtube.com

 

デカい案件きた!! ついにトレイラーが解禁されたエドガー・ライトの最新作でございます。公式ではサイコロジカル・スリラーと銘打たれています。サイコロ! なるほど(笑)!

 

 

あらすじのようなもの

ファッションデザイナー志望のエロイーズは、何故か夢の中で1960年代のロンドンに飛ぶ。そこではエロイーズは歌手志望のサンディの姿になっており……。

 

スタッフ・キャスト

監督は"ショーン・オブ・ザ・デッド"の(……って言わなくても分かるよね!)エドガー・ライト。エロイーズ役は"ジョジョ・ラビット"のトーマシン・マッケンジー、サンディ役は"サラブレッド"のアニャ・テイラー=ジョイが務めた。他。

 

 

さて、これまでのエドガー・ライト作品からは想像できないタッチのトレイラーだったね! どうやらコメディ色は皆無のようだし。ま、前作の"ベイビー・ドライバー"も、それまでの"ショーン・オブ・ザ・デッド""ホット・ファズ ~俺たちスーパーポリスメン!~""スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団""ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!"と比べると大分コメディ色薄くなった気がしましたけどね。まあいつものサイモン・ペッグ&ニック・フロストというオタク仲間コンビがいなかったからかもしれませんけど。

SFじゃないはずなのに、夢とは言えタイムスリップ的な要素があるのが気になりますね。エロイーズはスマホ持ってたりするので現代の人間でしょうが、1965年の末に公開された"007 サンダーボール作戦"が夢の中のロンドンで公開中なので、1965年か1966年の設定なんでしょう。トレイラーの後半には不気味な赤色が頻出し、ダリオ・アルジェント"サスペリア"なんかを思い出させます。ダリオ・アルジェントと言えばジャーロジャーロと言えば刃物。包丁もちゃんと映ってましたね。Soho(ソーホー)とは、ロンドンにある歓楽街のようです。60年代当時のソーホーは、言葉を選ばずに言えば「俗悪」な場所であったよう。「俗悪」なんて、まさにジャーロにピッタリの言葉じゃないですか! 確かに、トレイラーの中のソーホーは不用意に出歩くと殺されそうなとこですね(偏見)。

途中でサンディを追いかけるエロイーズ(か?)のシーンがありますが、2人が同一人物なら説明がつかないですね。謎がまた1つ増えました。追いかけちゃいけないかほりがビンビビンですけど、それでジャーロと言えばやはりニコラス・ローグ"赤い影"

終盤の、部屋の壁から手が伸びてくるシーンはロマン・ポランスキー"反撥"っぽい。そのオマージュもあるとすると、ニューロティック・ホラー要素もあるのかなー。多分に妄想が入り混じってる感じですもんね。サンディの髪型は一時期のカトリーヌ・ドヌーヴっぽい気もするし(ブリジット・バルドーの方が近いか?)。ラスト、非常に奇妙で気味の悪いストップモーションで終わりますが、こないだ観直した"赤い影"オマージュのスラッシャー"アリス・スウィート・アリス"ストップモーションで終わってましたね。ストップモーションってレトロだし、良い意味で違和感ありますよね。それまで生きてた(動いてた)画面が死ぬわけですし。本作のそれの気味悪さは、"ファブリック"のテイストも思い起こさせました。超カルト映画っぽい。

  

全体的にデヴィッド・リンチ感もあるような。特に"マルホランド・ドライブ"かな。一瞬だけ出てくる謎のおじさんとか、ナオミ・ワッツローラ・ハリングに近い見た目になるように、現実世界のエロイーズがサンディに似てきますし。でも寝たら別人になってたってのは"ロスト・ハイウェイ"だし、アニャが歌ってるとこは"イレイザーヘッド"っぽくもあるかも。狙われるのがブロンドって点ではヒッチコック

ポスターはトーマシンとアニャの顔が半分ずつ映って1つの顔になっているもの。これはイングマール・ベルイマン"仮面/ペルソナ"かなあ。

フィーチャーされてる曲は、(今回調べて初めて知ったけど)ペトゥラ・クラークというイギリス人歌手の"Downtown"という曲ですね。実際はウキウキ街に出かけたくなるような曲なんですが、このトレイラーだと誘われていくと死に至るセイレーンの歌声のように聴こえます(トレイラーで歌ってるのはアニャかな? 上手いね!)。海外のトレイラーこういうの上手いよね! "ゴーン・ガール"で使われてた"She"とか、"ジョーカー"で使われてた"Smile"とかね。

妄想か、二重人格か、理想と現実の自分のギャップの話なのか、はたまた斜め上の展開が待っているのか。期待して待て!!

 

まだ海外でも公開されてません。他のサイトだと日本公開未定って書いてあるんですが、今年の初めにPARCOのツイッターで年内公開って書いてあったんですよねえ。これ今も生きてるならPARCO最高ですよ。"ビバリウム"とか"プロミシング・ヤング・ウーマン"も配給してるしねえ。アニャが出てる"サラブレッド"も。

 

って、これまでもPARCOはかなりエドガー・ライト作品と繋がりがあるようで、監督作品では"スコット・ピルグリム"、関わった作品では"宇宙人ポール"(スペシャルサンクス(笑))と"アタック・ザ・ブロック"(製作総指揮)の配給もしています。じゃあ本作も配給してくれるだろう! よろしく!!!

 

言いたいこと色々あるけど、とにかくトーマシン・マッケンジー可愛すぎませんか……。Heiroは以前に「トーマサイン・マッケンジー問題」を提起してますが、PARCOは「トーマシン・マッケンジー」表記を採用してますね。素晴らしい。Heiroは世間的な表記が定着するまでは「トマシン・マッケンジー」と呼ぶことにしていましたが、"ジョジョ・ラビット"でも「トーマシン」表記だったし、これを機にこの流れを応援することにします。皆も「トーマサイン」なんてもう呼ばないでね!

(「トーマサイン・マッケンジー問題」についてはこちらをどうぞ。↓)

 

Soho! GOGO!

 

 

(2021/7/27追記)

"ラストナイト・イン・ソーホー"の邦題で今年冬の公開決まりました! 良かった情報間違ってなかった……。9月のヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されており、そこがワールド・プレミアになります。気になる評価はその時に明かされるでしょう。楽しみ!!