Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"Come True"(2020)

(悪)夢は叶うよ。

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公式トレイラー

www.youtube.com

 

出ました、IFC Films。めちゃめちゃ最近の話ですが、この映画会社が気になっております。もうすでに日本でも名前を確立したA24も良いんですけれども、メジャーどころじゃない会社ではバカの一つ覚えみたいにA24、A24って言われるじゃないですか。いやいや、他にも面白いとこあるはずだぞと思いましてね。思いましてのIFC Films。

 

この中のIFC Midnightという部門がね。もう名前でワクワクするじゃないですか。ミッドナイトと言ったら、カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門とか、トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門とか思い出すでしょ(ね)? しかも、まあミッドナイトらしく、扱うのはホラー、SF、エロティックアートハウス(文芸エロスというやつか)、アクションだそうで。いわゆるジャンル映画ですよね。何て甘美な響きなんだ……。この前紹介した変なスリラー"The Feast"もIFC Midnight作品です。ポール・ヴァーホーヴェンの新作、"Benedetta"もね。今後紹介する未公開映画はそのリストから選んでも面白いかもなと思ってます。数日前に、シエンナ・ギロリー(ポール・W・S・アンダーソン"バイオハザード"シリーズのジル・バレンタイン役でお馴染み)が出てる"The Banquet"というこれまた変なスリラーの予告が出てたんで、これも近いうち記事にしたいですね。っていうか、feastは宴で、banquetは宴でしょ。同じやん(笑)。調べてみたらbanquetの方が大規模なものを指すようだけど、予告編見る限りどっちも家族レベルの話だぞ(笑)。

heiro-chloe.hatenablog.com

 

 

あらすじのようなもの

母親との関係に問題があり、家出中の少女サラ。ホームレス同然の生活で公園での野宿などを繰り返し、同時に奇妙な悪夢にも悩まされている。お金に困ったサラは、夢を映像化する睡眠実験の被験者となるが、実験が進むにつれ悪夢は悪化し……。

 

スタッフ・キャスト

監督は"災厄の家"のアンソニー・スコット・バーンズ。

主演は"誰のせいでもない"のジュリア・サラ・ストーン。"トゥルース・オア・デア ~殺人ゲーム~"のランドン・リブロンなどが出演。他。

 

賛辞

「A neon-soaked cinematic nightmare enthralling from start to finish.(最初から最後まで魅惑的なネオン漬けの映画的悪夢)」-Heather Wixson, Daily Dead

「Wicked and wonderful. Some of the most disturbing cinematic imagery I have ever seen.(邪悪で素晴らしい。今まで観た中で最も不穏な映画的イメージだ)」-Kat Hughes, The Hollywood News

「A masterwork. The most original film about dream since Inception.(傑作。夢についての映画で"インセプション"以来最も独創的な作品)」-Lorry Kikta, Film Threat

 

 

以前、頭に思い描いているイメージを取り出して映し出す技術の話を聞いたことがある気がしますが、そういうのってまだちゃんと確立されてませんよね。夢の中に入るというのももちろん良いですが、それをコンピューターで映像化するという方がある意味ロマンがあります。現実的だからかな? しかもトレイラーではかなり不鮮明でレトロな映像で表現されてますね。シュールだけど妙にリアル。

 

夢は無意識下に抑圧されている記憶や欲求などと関係していると言われますが、これはやはりサラのトラウマからくるものなのか。母親関係で何かあったっぽいし。タイトルがドリカムでお馴染みの「実現する」という意味の"Come True"なんで、恐らく悪夢が現実に染み出してくるんでしょうね。ってそれ大体の悪夢ホラーもそうか(笑)? まあ"インセプション"みたいに夢の世界に行くか、"ラストナイト・イン・ソーホー"みたいに夢の影響がこちらに来るかで分かれますよね。

 

独特なルックスのジュリア・サラ・ストーンが良いカンジです。関係ないけど、Sarahって日本でも馴染みある名前だけど、日本語表記が難しい名前ですよね。英語的な発音ではサラよりはセーラ、セアラの方が近いかと思いますが、色んな動画で確認したところ人によって微妙に発音が違う気が。フランス語的な発音だとサラなんですけどね(rの発音は置いといて)。実際、すでに日本でもジュリア・サラ・ストーンとジュリア・セーラ・ストーンの2通りの表記が混在しています。アレックス・エソ―がSarahという主人公を演じた"Starry Eyes""セーラ 少女覚醒"って邦題になってました。ジュリア・サラ・ストーンがカナダ出身なので、どっちの表記もあるのかもですが。

 

アンソニー・スコット・バーンズの前作"災厄の家"はネトフリで観れます。……が、評価良くないみたいだったのでまだ観ておりません(笑)。大傑作"ぼくとアールと彼女のさよなら"の主演で"ハロウィン KILLS"にも出てたトーマス・マンが出演してるようなんですが。観るべきかなあ。どうせ本作の日本上陸決まってないしね。まあ今年のカリテ・ファンタスティック!シネマコレクションあたりで来れば儲けもんですかね。

 

 

Rotten Tomatoes  86%,58%

IMDb  6.0

IFC Films覚えて帰ってね!