Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレします。映画は★、音楽は☆で評価) ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/chloe_heiro0226

"アンホーリー 忌まわしき聖地(The Unholy)"(2021)

白い目で見られるのは嫌だが、黒すぎる目で見られるのはもっと嫌だ。

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公式トレイラー


www.youtube.com

 

サム・ライミがプロデュースしたらしい宗教ホラー。トレイラー観ると完全に異形のモノが暴れん坊将軍してるので、個人的にはおそらくそんなに好みでなさそうなんだけど(笑)、一応ね。一番日本上陸が見込めそうだし。

 

 

あらすじのようなもの

聴覚障害者のアリスは、聖母マリアがその身に降りてくるのを感じた。すると、たちまち音が聞こえ、話せるようになった。アリスはこの癒しの力を他人にも施し、奇跡だと話題になっていくが、同時に恐ろしい出来事も起こり始める。ジャーナリストのジェリーは自身のキャリア復活をかけ、事の真相を確かめるべく、渦中のニューイングランドを訪れる。果たしてそれは聖母の御業か、不浄なるモノ(the unholy)の所業か……。

 

スタッフ・キャスト

監督はこれが長編デビュー作となるエヴァン・スピリオトポウロス。

アリス役は"Dukeland"(未公開)のCricket Brown(クリケット・ブラウン)、ジェリー役は"ウォッチメン"ジェフリー・ディーン・モーガンが務めた。他。

 

 

エヴァン・スピリオトポウロスは、これまで長らくディズニーアニメ映画の脚本を書いてきた人物だそうです。実写版"美女と野獣"の脚本も。直近で手掛けたのはリブート版"チャーリーズ・エンジェル"……。なななるほど。Heiroの2020年ワースト6位のアレか。さらに、好みの問題と言っちゃえばそれまでですが、悪魔的なモノの姿がバンバン出てくるのがちょっとなあ。だってそうなるともうモンスター映画でしょ。こっちが求めてるものと違ってくるんだよね。HeiroはSFでも「うるさい」作品より「静かな」作品の方が好みなので。同じZ軸でも、こっちにせり出してくるのより奥行きがある方が良いの。あ、でも"コンスタンティン"は傑作だと思いますよ(笑)。

 

 

多くのキリスト教徒は実体として描かれた悪魔が怖いんですかね。姿が見えなくて、いるのかいないのか分からない方が怖いと思うんだけど。幽霊とかと同じでね。"ウィッチ"の中で、あるキャラクターが死ぬ直前に神を見るんですが、その後すぐに周りで「本当に神だったのか、神を装った悪魔だったのか」という論争が始まります。そういう結論の出ない問題の方が厄介ですよ。実体があるんだったらねぇ、キアヌにぶん殴ってもらえば良いんですよ(笑)。そういや"ウィッチ"ニューイングランドが舞台だったね。

 

個人的に注目したいのは、物語上の正体もさることながら、本人に関する情報もほぼない無名女優のCricket Brown。まず名前が良い。cricketはスポーツのクリケットも意味しますが、コオロギのことも指します。コオロギって普通茶色じゃないですか。「茶色のコオロギ」って名前ですよ。クリケット・ブラウンって響きも可愛い。それこそディズニーとかのアニメに出てきそうな名前(って、ジミニー・クリケットがいたな)。名前をそのまま入れて画像検索すると99%コオロギの写真しか出てこない不憫な人ですが(虫嫌いには閲覧注意レベルなので、ちゃんと名前の後に「actress」と入れて検索しよう(笑))、本当に聖母マリアが乗り移っていても不思議じゃないくらい清楚な美人です。劇中のアリスには本当に聖なる力があるのか不明ですが、Cricket本人には確実に癒しのパワーがあります。目の保養になるからね! 何を隠そう、本編というより彼女が気になったので今回本作を取り上げたのです。えへ。エヘン虫。ちなみに、Cricketは本作と短編を含めこれまで9本の作品に出演していますが、その中の3本でアリスという役を演じています。どんだけ。

 

ところで、トレイラーの最後にも出てきますが、映画で得体の知れないモンスターはよく首を傾げますよね。3億回は見ました。この時点でもうフレッシュではないね(笑)。キャッチコピーは「Be careful who you pray to(祈る相手に気を付けよ)」。ほんとよ。

 

神的なものが降りてくるみたいな話だと、このブログで一番最初に紹介した"Saint Maud"もそういう映画ですね。もう半年も前に紹介したのに、未だに上陸しないんだけど。どういうことなの。(その後ソニー・ピクチャーズによって配信されました)

 

 

 

Rotten Tomatoes  27%,57%

IMDb  5.2

高評価の"Saint Maud"と明暗くっきり。でも見所はCricket Brownだから。

 

 

(2022/2/2追記)

"アンホーリー 忌まわしき聖地"の邦題で、3/23より配信開始。やっぱり上陸したね! ブログで取り上げてから1年も経ってしまったようですが、まあそこまで期待はしてない作品だし……(笑)。配信元はこれまたソニー・ピクチャーズなんだよね。エラい。