Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

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"新感染半島 ファイナル・ステージ(Peninsula)"(2020) Review!

お金は何よりも質の悪いウィルス。

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公式トレイラー


【公式】『新感染半島 ファイナル・ステージ』本予告 2021/1/1<元旦>公開

 

言わずと知れた韓国産ゾンビ映画"新感染 ファイナル・エクスプレス"の続編。ダメパパの成長物語と物量ゾンビを掛け合わせた前作に比べると、圧倒的にアクションに寄せてきた感じ。

 

あらすじ

ジョンソクは、家族とともにゾンビウィルスパンデミックが広がる韓国から逃げ出そうとする中で姉と甥を失った。4年後、ジョンソクと生き残った義兄のチョルミンは、廃墟と化したソウルに置き去りになっているトラックの中から2000万ドルを回収する依頼を受けるが……。

 

キャスト・スタッフ

監督は前作に引き続きヨン・サンホが務めた。

主演は"1987、ある闘いの真実"カン・ドンウォン。"バトル・オーシャン 海上決戦"などのイ・ジョンヒョンなどが出演。

 

 

前作の時点でそうでしたが、韓国のゾンビ映画というだけでまずフレッシュですよね。その上中々類を見ない圧倒的物量で迫ってくるゾンビでしたからね~。個々のゾンビの動きもすごく良いんですよ。体の可動域とか全く考慮してなさそうな力業の動きにものすごい人外感あるし。そのあたりが好きだった人には、本作も自信を持ってオススメできます。

 

原題の「Peninsula」は「半島」って意味だったんですね。そういう名前のホテルもありますけど、ペニンシュラって英語離れした語感でクールですよね。日本でもそのまま"半島"ってタイトルで公開はできないだろうけど、その無骨さも逆にカッコ良いので面影がある邦題にはしてもらいたかったんですが、まあそれは達成されてて一安心。「ファイナル・ステージ」はよく分かりませんけど。もはやダジャレ的にかけていた新幹線も関係ないし。

 

家族を失って4年間ずっとしょぼくれていたジョンソクを演じたカン・ドンウォン。垂れた前髪がすこぶるセクシー。この人40歳なんですね! 見えない。イケメンすぎる。ある程度は韓国映画も観てますが、どうしても欧米の映画ほどは触れてないので、これまでのカン・ドンウォン作品も知らないんですが、画面を支配するカリスマ性がありますね! ヨン・サンホ作品も前作しか観てないんですが、映像のセンスがすごくある人ですね! 本作でもカメラワークとか一発一発のビジュアルの破壊力が強かったです。予告からもそれがビシビシ伝わってきます。

 

狂気のカルト集団やカーチェイスはやはり"マッドマックス"風味でしたね(笑)。ジョージ・ミラー御大はやはり偉大だなぁ。子どもながら天才ドライバーガールのジュニちゃんもカッコ良かったですねぇ! ドライビングテク見せるところは"ベイビー・ドライバー"っぽくもありましたね。そこでスーパーアクションを見せているのに、光るリモコンカーのシーンも全くショボくならずスタイリッシュなままでね。

 

話としてはそんなにビックリするところはないですが、ジョンソクが4年前に見捨ててしまったミンジョンの一家に直接贖罪をする話になるとは(笑)。普通は助けられなかった誰かの代わりに、今目の前にいる人を助ける話になるところですけどね。後、最後ミンジョンが娘2人を助けるために自分を犠牲にしようとしますが、そこの演出がすごくウェット。日本の映画やドラマでもよく見るようなシーンになってて、アジア人の手癖みたいなものなんだろうかと思ってしまいました。本作、映画としては大団円で良いんですけど、ゾンビ映画って基本最大レベルのハッピーエンドでもパンデミック自体は解決しないですよね("CURED キュアード"ではパンデミック解決後も問題が絶えないことが描かれている)。現実にはそれ以上のハッピーエンドがあると信じたいなあ。

 

余談ですけど、気が触れてるのにダントツでチャーミングなキムじいちゃんを演じたクォン・ヘヒョ、アンディ・サーキスにしか見えなかったよ。

 

 

★★★★★★★  7/10点

Rotten Tomatoes  53%,76%

IMDb  5.4

前作ほど評価されてはいないけど、まあこれ嫌いな人いないでしょ。