Heiroのシネマ・ミュージックフロンティア

Heiroによる、辺境の映画・音楽を紹介・レビューするブログです。(映画レビューの際はのっけからしこたまネタバレしますので、作品を観てから記事を読むのがオススメ。映画カテゴリーは★、音楽カテゴリーは☆になっています)

"プロミシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)"(2020)

硬すぎる飴はアゴをも砕く

 

公式トレイラー

本作とコンセプトが似てる映画で、"ハードキャンディ"というのがあります。ロリコンパトリック・ウィルソンがエリオット・ペイジ(当時のクレジットはもちろんエレン・ペイジ)に近づいて逆にやられてしまう話です(笑)。昔観たっきりなので細かく覚えていませんけど。

パトリック・ウィルソンは今でこそ"死霊館"シリーズとか"アクアマン"のイメージが強いかもしれませんが、実は"ハードキャンディ"のようなアレな役もやってる人です。ハンサムだと思うけどなあ。"ハードキャンディ"と同時期の"リトル・チルドレン"ではケイト・ウィンスレットと不倫する役もやってましたね。その2作の直前には"オペラ座の怪人"で白馬の王子さまポジションで美声を披露してたのに! 何という振り幅の大きさ(笑)。

ちなみに、「hard candy」とはスラングで「12~16歳ほどの魅力的な少女」のことだそうです。まあ「ロリータ」とほぼ同義でしょう。本当はもっとアウトな意味もあるようですが、ここでは割愛します。自分で調べてね! 何となく察せる気もしますが。

今回紹介する"Promising Young Woman"(=若く将来有望な女性)では、そのハードキャンディ役をキャリー・マリガンが務めています。さすがに10代の役じゃないですが、童顔ですからね。

 

 

あらすじのようなもの

カサンドラは将来を有望視された医学生だったが、ある事件がトラウマとなり医学部を中退、現在ではカフェのバリスタとしてしがない生活を送っている。しかし、夜になると酒場で泥酔した振りをし、下心を持って近づいてくる男どもに制裁を加えるという裏の顔があった。

 

キャスト・スタッフ

監督はドラマ"キリング・イヴ"の脚本・製作総指揮を手掛け、本作が長編監督デビューとなるエメラルド・フェンネル

主演は"ワイルドライフ"などのキャリー・マリガン。助演に"エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ"を監督したことが記憶に新しいボー・バーナム、"ホース・ガール"などのアリソン・ブリー。他。

 

 

予告の中盤で、カサンドラをお持ち帰りした男が「僕はナイスガイだ」と言います。カサンドラが泥酔してて抵抗できないはずだと思ってのお持ち帰りでしょうけどね。現実世界でも、行為に同意があったかが論点になった時、「女性側が誘っているように思った」というのが男性側の常套句です。そんな責任逃れをしようとする輩をカサンドラはどのように懲らしめるのか? ナース服姿のカサンドラのシーンがありますから、おそらく医学知識を駆使して男たちをアレするんでしょうかね……。「僕たち気が合うと思って」と話す男に、カサンドラは「じゃあ私の年は? 趣味は? 名前は?」と聞くと男は何も答えられず。男を演じるクリストファー・ミンツ=プラッセの演技がコミカルなので、ブラックコメディのテイストもあるんでしょうか。カサンドラの昔の同級生役で出演しているボー・バーナムは良い人そうな顔をしていますが、本当に良い人なんでしょうか?

 

エメラルド・フェンネル監督が関わった"キリング・イヴ"はシーズン1だけ観ていますが、ジョディ・カマー演じるサイコパス殺人鬼のヴィラネルがチャーミングすぎて面白かったです。海外だとすでにこの役でブレイクしてますもんね。ジョディ・カマーがヒロインとして出演しているライアン・レイノルズ主演作"フリー・ガイ"が公開延期になってますが、作品が面白ければ日本でも話題になるのではと期待してます("スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け"にも一瞬出てましたけどね)。ヴィラネルを捕まえようと奔走する捜査官イヴの役を演じたサンドラ・オーは本作にこそ出てないものの、"ハードキャンディ"の方に出てたというのが面白い偶然です。"ハードキャンディ"とはどのように違う作品に仕上がっているのか? 向こうは男性監督でしたが、今回は女性監督だし。

また、製作にマーゴット・ロビーが立ち上げたラッキーチャップ・エンターテインメントが名を連ねているのも面白いところです。彼女は実際に本作のプロデューサーでもあります。最近のマーゴットと言えば、"スキャンダル"や"ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey"などのフェミニズム映画への出演が多いですからね。

 

どうやらキャリーの配役に関して「ファム・ファタールには見えない」なんてネガティブなレビューもあるようですが、そのレビュアー"ドライヴ"観てないんですかね? あの普通の人間に、いや人間にすら見えない敏腕逃がし屋のライアン・ゴズリングが心動かされる相手ですよ? そりゃファム・ファタールやろがい……。ま、キャリー童顔なんで、いわゆる大人の色気はあまりないかもしれませんが、年が上の男性が若い女性を食い物にする世の中ですから、狼の血で濡れた赤ずきんちゃんがいても良いじゃないですか。ナース服姿の時の髪が毒々しくカラフルですね。キャンディみたいに。でもこのキャンディ、果たして噛み砕くことができるかな? 

 

キャリー・マリガン主演だし、評価もすこぶる良いのでそのうち日本公開も決まるだろうと期待しています。

 

 

Rotten Tomatoes  91%,88%

IMDb  7.5

"ブラック・クリスマス"よ。これが本当の……!!(以下略)

 

(1/31追記:"ビバリウム"と同じくPARCO配給で2021年のどこかでの公開が決まりました。祝!)

(2/25追記:邦題は原題そのままの"プロミシング・ヤング・ウーマン"で、今年夏での公開決まりました! 祝祝!!)